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第21階未来コンサートが過日無事、成功裡に終了しました。
ご協力を頂いた、たくさんの皆様に感謝しお礼申し上げます。

縮小_陸奥


引き津好き「ムーの幻影」をご覧ください。

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戦い

30

3月22日。
ネオムー帝国は、再び全世界の通信網を通じて、
ニュージーランドをはじめとする国連各国の暴挙を非難した後、
衝撃的な声明を発表した。
「ネオムー帝国は世界理想郷宣言に基づき、
本日より、世界各国すべての国が帝国の傘下に入るものとする。
もしこれを拒否する国があれば、世界平和の敵、人類幸福の敵として、
神の裁きを受けることになるであろう」

GOO編集部のテレビからも、
アジア総大使館ヴァイオレットクラスNO4の魔的な声が聞こえていた。
ネオムー帝国は、ついにその真の意向を明らかにし、
全世界に宣戦布告を行ったのである。
それはかつて世界征服を目指した、いかなる国にも類を見ない
未曾有のスケールと狂気じみた大胆さであった。
国連は直ちにネオムー帝国の声明に絶対反対の決議をし、
一度引き上げた英仏軍をはじめ、国連軍を組織して、
ネオムー帝国の領海線を取り囲んだ。
海上には空母、戦艦、駆逐艦、巡洋艦が、海中には原潜が配置され、
効果的な核攻撃が可能な距離を保っていた。
また、
帝国の他の五つの総大使館ビルがある近海にも、
同様な措置がとられた。

31

戦端は意外なところから開かれた。
南アフリカのヨハネスバーグで、
憲法改正と経済格差是正をはじめとする、
国民すべての自由と平等の権利を求める、黒人たちによる大規模なデモが、
ネオムー帝国擁護運動と合体して暴徒となり、
少数派の白人たちを襲撃したのである。

反撃する白人たちとのあいだに、市街戦が展開され、
南ア政府は、帝国擁護黒人団体によるクーデターであるとして、
軍隊を出動させた。
何百人という黒人が惨殺され、
南ア軍は勢いに任せて、戦線を拡大していった。
だが、突然上空から現れた、
ネオムー帝国のVTOLから発射された熱線によって、
南ア軍は瞬時に焼き尽くされてしまったのである。

ここに至って南ア政府は、帝国との同盟関係を破棄し、
ケープタウンの住民に避難命令を出した後、
ネオムーのアフリカ総大使館に、戦闘機と戦車による攻撃を開始した。
しかし、それらの攻撃は、
ビルの外壁にさへ傷一つつけることができなかったばかりではなく、
VTOLの反撃によって、すべての戦車が炎上し、
戦闘機は6機中2機は撃墜された。

政府は直ちに国連に援助を要請、
沖合に待機中の英国戦艦は、国連の名の下に艦砲射撃を行った。
しかし、これもまた、ビルに着弾する前に強力な電磁バリアーによって、
進路をねじ曲げられ、
いたずらに他の建築物を破壊したに過ぎなかった。
翌日国連軍は無人と化したケープタウンのビルに、空爆を開始した。
みるみるうちに焼け野原となっていく街から、爆撃機が去った後には、
一つ黒く異様なビルだけが、天をついて屹立していた。

32

ネオムー帝国アフリカ総大使館ビル44階。
二人の男が向かいあっていた。
外側の戦闘も、ここでは全く影響を及ぼさないらしく、
淡い緑色の光線のなかには、別世界のような、静けさが漂っている。

「それでは、国際超常現象会議の決議は、
何一つ受け入れるわけにはいかないと言うのですね」
この男、GOOの使者、サー・ウイリアムズは、
教団のグリーンクラス以上でなければ入れないはずの44階に、
こともなげに座っていた。
話し合いの結果如何によっては、
全世界規模の戦争に発展するかも知れないことを考えると、
信じられないほど柔和な白い顔と、
育ちのよさそうな、静かな口調であった。

「世界平和のためですから・・・」
相手の男、グリーンクラスの語尾がかすれた。
いままで、意のままにしていたマインドコントロールなどは、
全く通じない。
彼が、ほんとうにそう想っていたからこそ言えたのである。
「そうですか。残念ですが仕方がありませんね。
それでは失礼いたしましょうか」
このビルに最初に迎えた異質な客が立ち上がった。

(戦い33~34へ続く)

 

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