NO 240

出発

13

「どうしたのだ」
「海底が泡だっているようだ」
二人の枢機卿がそれぞれの自国語で言った。
ネオムー帝国中央政府ビルが、海鳴りの音に合わせるように振動した。
「おっ!」
世界中の火山活動をモニターしていたもう一人の枢機卿が、
おそらく彼らにとって初めての驚きの声をあげた。
地球上、所狭しと荒れ狂っていた火山噴火が、
極東から南北アメリカ、ヨーロッパからアフリカへと、
瞬く間に収まり、
それぞれの山の上空に噴煙の塊を残したまま沈黙してしまった。
自分たちの計画に絶対の自信をもっていた、
4人の枢機卿が、思わず顔を見合わせる。
もう一方のモニターには、
海面から吹き上がっていた岩石群が
徐々に勢いを失って沈んでいくのが映っていた。

・・・と、
今まで無数の岩石群に隠れて見えなかった海上に、
忽然と現れた直径100メートル近い大岩石の上に、
30人ほどの人影が浮かび上がった。

14

「GOOだ!」
枢機卿NO1,”白のお方”が即座に指令を発した。
戦うためにだけ存在している、
藍(インディゴブルー)クラスのVTOLが八方に飛んだ。
熱線がほとばしり、岩石上の何人かが一瞬に炭化した。
同時にGOO側の念波にパイロットの頭をやられたVTOLが
逆巻く波に突っ込む。
だが瞬時に飛び出した、16人の藍クラスは、
岩石上のGOOに向けて殺意の塊を集中させる。
また何人かが崩れ落ちた。

メンバーの中から2人の男が進み出る。
岡田遥之と、サー・ウイリアムズである。
たちまち彼らを藍クラスの殺人霊波が襲った、
が、ほとんど同時に16人の藍クラスは空中浮揚を失い、
海に落下していった。
彼らは自分たちの放った殺人霊波によって滅びたのである。
彼らのパワーが強大であることが、
そしてそれが自分たちに反射するなど
思いも寄らなかったことが、彼ら自身の不幸であった。

(出発15~16へ続く)

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