「メロス」といえば太宰治の「走れメロス」を思い出します。
彼は精神的に希望・絶望、信頼・不信、
義理・不義理などの間を行き来しながらも、
様々な困難を乗り越えて約束を果たし、
人間の心を信じないデオニス王を翻意させたヒーローです。
では何故太宰は
このヒーローに「メロス」と名付けたのでしょうか。
この物語は実は「音楽」なのですね。
対極にある心情を、たえず揺れ動く旋律
懸命に走り続けるリズム
そして、「約束を守ることの大切さ」という
ハーモニーで全体を包み込んでいるのです。
太宰は起伏のある旋律線の上をひたすら走り
最後に「努力は報いられる」という主音に着地して
大団円となることをイメージしたのではないでしょうか。
なぜなら
「メロス」はギリシャ語で「メロディー」を意味するからです。
前回書いた私の「ムーの幻影」に出てくる阿井舜真も
実は「愛」なのです。
創作する者は
人知れず自分も楽しんでいるのですね。

