有節歌曲は、詩が1番2番と変わっても旋律が同じであり、
通作歌曲は、詩の内容によって旋律が変化していくもので、
いずれもシューベルトが完成した芸術歌曲の2つの形である。
一般的に言えば、前者は旋律を繰り返すことによって
強く印象ずけることができるが、
1番が「春」「楽しい」、2番が「冬」「厳しい」などの
状況や心情に対応しきれず、
後者は時々刻々と変わる詩の内容に旋律が対応できるが、
全体の旋律をすぐに歌えるようには把握できない。
一長一短のように見えるが、
実は、ピアノパートとの連携が密接になり、重要性が高まるに至って、
それぞれ独立した位置を誇りながらも、
多くの接点をもつ作品として完成している。
さらに、それが演奏との関係において深化するのである、
リートは、詩と曲と演奏の三者が混合、融合して3以上のものとなり、
全象限に生滅している。
私達は、名演奏によって、
まさに生じている瞬間に出会っているのである。
ウフフ、ちょっと堅くなっちゃったね。
リートについて、もう少し知りたい人には
「シューベルトのリート」(村田千尋著、音楽之友社)をおすすめします。
分かりやすく、しかも格調高いですよ。

