雪 女・・・獏不次男 作詩
雪が降る 雪が降る
音もなく降りつもる
鳥の羽毛のような雪の愛撫に
大地も 街も悔いなく眠る
冬の夜更けに
溢れる想いが 夢からこぼれて
雪国の女は 眼を醒ます
艶やかな誇りと 脆い理性で鎧う
双つの丸い砦の谷間に
秘めた想いは
白い炎のように
舞い始める
雪が降る 雪が降る
寝静まった淋しい街を
もつれ舞う二人の雪女
それは
夢とうつつの境界をさまよう
女の心の中に棲む
燃え上がる熱い想いと
冴えかえった理性とが
相抱き 争いながら
白夜のように 仄白い
夜の帷に
妖しくむすぶ
美貌の虚像か 幻影か
雪が降る 雪が降る
音もなく降りつもる
人の世の 歓びも哀しみも
白くつつみ 眠らせる
雪女
大先輩で大親友の獏不次男(阿部次男)先生が逝ってしまった。
昨年の12月19日であった。
あまりにも想いが大きく、しばらく呆然としていた。
そしてこの大雪だ
上に挙げた先生の詩を思い出す。
混声合唱とバレエの為に作曲したものだ
艶やかに舞う2人の雪女であった。
音もなく降り積もる雪は
この哀しみも
白くつつんで眠らせるのであろうか。
彼はいつも
「終わりは始まり」と
言っていたのだから・・・。
ならばやはり、
新年おめでとう!

