NO129

未曾有の被害をもたらした、東日本大震災から3年になる今、
「想定外」を思い出す。
その責任逃れの言葉は、毎日のようにマスコミにのり、
他の分野にまで波及して、一種流行語となった。

しかし地震の発生はけっして想定外ではない。
なぜなら既にそのメカニズムが解明され、
必ず起こることが分かっているからだ。

 地球はその表面が十数枚のプレート(岩盤)で覆われていて、
 マグマの循環とともに、年間数センチのゆっくりした速度で移動している。
 日本の場合、
 陸側のプレートの先端が、
 東側から、入り、沈み込んでくる海側のプレートによって、
 徐々に奧に引きずられていき、
 限界に達した時、
 陸側のプレートの先端が反動で跳ね上がり、破壊される。
 これが地震の一例で、
 同時に海水も急激に押し上げられて津波が発生する。

3/11は、震源から南北に海底の岩盤破壊が連鎖し、
東西250キロ、南北500キロに及ぶ震源域となった。

通常東側から押されているはずの、東北地方の陸が、
反動で、逆に東側に5メートルも移動し、そのために全体が1メートル沈下した。
日本の陸が広がったのだ。
最終的に発表されたマグニチュード(M)は9。
これは兵庫県南部地震の約1000倍のエネルギーだ。

千年に一度の大地震と言われているが、
世界的に見ると、1900年以降M9以上の地震が5度発生している。

それは、最大であったM9.5のチリ地震をはじめ、
アラスカ、アリューシャン、カムチャツカそしてスマトラ沖と、
すべて環太平洋地震帯にそった海溝型地震だ。
残っているのは、北米、中米西海岸、日本の東南海海岸、台湾、フィリピンで、
いずれそのあたりで、発生する。
しかし、それが何時なのかは分からない。
明日かも知れないし、10年後、100年後かも知れないのだ。

人間は未だ自然をコントロールできない。
逆に自然によって生かされているのだ。
にもかかわらず、大気を汚染し、森林を破壊し、
温暖化を促進させている。

地球は傷つき悲しんでいることだろう。

その結果何かが起こった時、
責任を取らされるのは、一般の人たちだ。

だから、
国民の命と財産を守る為政者には「想定外」などない。
自らの在任期間だけ無事ならよいのでもない。
50年100年後のヴィションを示して、
その一歩として政策を進めなければならないのだ。

長くなりました。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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