最近
弘前公園を散歩するようになった。
そして幼い頃遊んでいた時には
思いもよらないことが分かってきた。
そこで、
何回かに分けて書いてみたくなったのです。
1、暑いときには冬の話を。
小学校の頃は
春は「かんごうかい」夏は町内の「ネプタ」を引っ張り、秋は公園で栗拾い、
冬は、学校から帰ると鞄を投げ出して、毎日公園へスキーに通った。
工業高校入り口から入っていくと、
一番右に「長坂」その左が「あずまや」
そして「急斜面」「スロープ」という斜面があった。
「長坂」は初心者用、「あずまや」は中級者用で、
「急斜面」と「スロープ」は上級者用だ。
当時は長靴にスキーをつけただけの用具で、曲げるなどという概念はなかった。
毎日暗くなるまで、ひたすら登り、真っ直ぐに滑り降りる。
年に一度大会があった。
「急斜面」から滑って、どこまで行けるか、その距離とスピードが勝負だ。
勢いをつけて滑り降りると、斜面下の平地を通り過ぎ、
結氷し、その上に雪が積もった蓮池の中を通り越して、そのはずれまで行く。
(2番になったことがあったなぁ)
そんな思い出の斜面は、
今、すっかり木に覆われ、見上げても頂上が定かではない。
小さな水音をききながら、左側の石段を81段のぼって土手にあがり、
見下ろすと、木々の上から蓮池が見える。
木は何も語らない。
かって、土の中で芽生えたことを
自分の上を数知れない人たちが通り過ぎていったことを。
わたしは語ろう。
この木々の分まで・・・。