NO99

器楽曲と合唱曲の聴衆に与える大きな違いは、
前者が音楽を一人ひとりの感性に委ねるのに対して、
後者は、詩の内容によって焦点をしぼり、
音楽をより具体的に提示出来ることにある。

原作小説を読むのと、それによる映画を観るような違いである。

とすれば、
合唱の表現には、三要素的な構築ばかりではなく
詩を加えた音楽美の実現が不可欠である。

いままで、詩の内容を理解し、
それを演奏者が共有するのは、よくやっていることであるが、
それを具体的に表現するための発声法についてはあまり語られていない。
特に、同じ意味でもニュアンスが豊富な日本語においては、
それぞれの違いを表現する声の研究が求められるのである。

詩人や作曲家の意向を楽譜から読み取り、深く研究し、
それを実現させるためのスキルアップを
情熱をもって持続させるためには、
目標が必要である。

コンクールである。

しかし、目標は順位ではない。
ワンステップの向上である。
順位はその積み重ねによって、おのずからついてくるのである。

そして音楽を通じて、多くの世界を知り、
人間としての豊かな向上と
次世代への絆を目指すのなら

演奏会である。
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「白い時の提言」

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